Unbekannter Soldat #1 ドイツ内戦 【HOI4 民主主義ドイツ】

 

 

 

 

 1936/3

 ドイツ ケルン大聖堂

 

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「私を助けてくれてありがとう。しばらく私とは会えないと思う。ここも危険になるかもしれない。巻き込んで申し訳ない。だがやらないといけない事が出来た」

「レネ、本当に行くの」

 シスターは不安そうに聞く。

「ええ、私がここに来た理由が分かったから」

「気をつけて。主はきっと守ってくれる」

「ありがとう、エリー。幸運を」

 

 

 

 彼女は党の地方本部へと向かう。

 

「お嬢ちゃん、ありがとな」

「これくらいどうって事無いわ」

 歩道で転んでしまった中年男性を助ける。彼は戦傷で片脚を喪っていた。

 

 

  彼女は党の演説の最中に現れた。彼女の堂々たる姿は周囲を静かにさせた。党の地方幹部共は支援者と勘違いしたようだ。彼女はマイクを取り、演説台にあがり、決然と言い放った。

 

「お嬢ちゃん、ここは党の演説が行われていてね...」

「毎日毎日同じ内容で宣伝をするな。一言で言えばうるさい。私は平穏な生活を望んでいる。静かにできないか?」

 騒めきが起こる。

 

「お前達が何をしてきたか、何をしているのか、これから何をするのか、本当に理解しているのか。ユダヤ人をドイツから追放するだけじゃ無い。凡ゆる社会的少数派を強制収容所に送り、奴隷の如き強制労働に従事させ、使えなくなった者は全てガス室で殺戮するのだ。600万人だ。お前達は本当にそれを知りながら、支持するのか?知らなかった、は免罪符とはならない!お前達は本当に強者だと言えるのか?信じるものが違うというのは、人を殺める理由になると言うのか?人が何を信じようが、それは自由ではないのか?」

「この者を捕らえろ。これ以上口を開かせるな!」

「これからお前達はソ連と戦争するつもりだろうが、米英をも敵に回し、600万人の犠牲を出してドイツは分断統治される事になる。私はそうはさせない!ドイツを真に救いたいというのなら、今声を上げろ!自由な世界を望むなら、今行動しろ!!!」

 

 一人の中年男性が石を投げた。党の役人に直撃する。

「これでも元擲弾兵さ。手伝うぜお嬢ちゃん」

「おじさん、ありがとう」

 

ケルンで起きた小さな反乱。

 

「今動かなければ子供達さえ戦場に駆り出される事になる!!独裁者が望んでいるのは廃墟だ!私はここが戦略爆撃で崩れ落ちるのを見た!そして専制支配が世界を壊してしまったのを見た!私は未来を救う為にここにいる!!人類は自由であり、平等なのだ!支配される為に生まれて来た人間など存在しない!その逆も然りだ!!恐怖や憎悪は人間の本質ではない!今は勇気を持って立ち上がる時なんだ!」

 

 大衆を扇動する少女。一人、また一人と反乱に加わり始める。現地の警察では市民の暴動を止められなかった。

「どうする嬢ちゃん、老年兵ばかりだが」

「武器があれば、私は負けない。私は未来の都市で戦ってきた」

 

 

 総統官邸

 

 ヒムラー警察長官が青ざめた表情で報告する。

「総統、ケルンで反乱です。市民の暴動です。首謀者はアストリット・フリードリヒを名乗る少女です。現地警察の一部も反乱に加わっており、警察機構では手に負えません」

「...ジャンヌ・ダルクのつもりか。1個師団を差し向ける。ロンメル、お前に任せる。機甲師団で引き潰せ」

「...かしこまりました。総統」

 

 

 「アデナウアー市長、青ざめた顔で、どうしたの」

「総統が機甲師団を差し向けてきた。一万の敵だ、しかも師団長は第一次大戦の英雄ロンメルだ。これはもうダメじゃないか」

「市街戦に戦車向けるなんて良いカモね。市長、カクテルはある?」

「あ、ああ。あるが...なぜカクテル?」

「後は私に任せて」

 

 

「クリア。もうすぐ大聖堂前」

「抵抗がまるでない。不気味だ。後方との連絡を欠かすな」

「了解」

 

「敵は全員市内に入れた」

バリケードを再構築。最後尾にカクテルを放り込め。無線妨害を開始。先頭車両は私がやる」

 

市内に入れた敵を包囲。火炎瓶を投擲し一号戦車を葬る。後方との通信を途絶する。

 

「包囲されている!無線も通じない」

「一両やられただけだ。敵は此方の通信周波帯を知っているようだな。混乱するな。敵の首謀者を捕らえれば良い」

「そうだ。反乱を始めた馬鹿が此処にいる」

「...反乱者フリードリヒは、君か」

「私はドイツの敵ではない。ナチズム、全体主義の敵だ。私を轢き潰すか?」

「...」

「私と共にドイツの自由の為に戦ってくれ。貴方はナチスの虐殺に手を貸すのか。市民を敵にするのか」

「....私はドイツ国防軍の軍人だ。私は軍人として......国民を守る。第一機甲師団将兵に通達。これよりケルン市民の保護を開始する。...これで私も反乱者だな」

「貴方以外にも反乱者はいる。それも元帥だ」

「...マッケンゼン元帥か!」

 

 

 

 

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「内戦...短期間で終わらせる。グデーリアン将軍、貴方の電撃戦理論が必要だ、頼めるか」

「お堅いベルリンの連中とは違って物分かりが良いな、お嬢は」

「ありがとう。中央にグデーリアン将軍隷下の機甲師団を集中し、突破。ニュルンベルクを迂回しつつナチス・ドイツを南北で分断し、相互の連絡を絶つ。この計画で問題はないかな、マンシュタイン将軍」

「問題ありません。北部方面は私にお任せを。遅滞戦闘に努め、人的資源の消耗を避けます。防衛は私の得意分野ですのでお任せ下さい。南部のロンメル将軍には中央突破後、独断専行も含めて包囲殲滅を繰り返させるおつもりですね」

「言う前から分かってるようだ」

「酷い言われようだが、独断専行はもう必要ない。貴方が戦争指導する以上は」

「お嬢はどこでこんなに戦争を知ったんだ」

「戦争しか無い世界から来ただけだ」

「未来ってのはそんな酷いのか」

「ええ。だけどここから未来は変わる。作戦を開始せよ」

 


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ナチス・ドイツ軍を南北分断に成功!ニュルンベルク方面で8個師団を包囲した!敵の抵抗は微弱。すごいなお嬢」

「すごいのはどう見てもグデーリアン将軍なのだが...機甲師団の突破は恐ろしいな。ロンメル将軍、後は任せた。南部に残る敵軍の武装解除を」

「了解」

「次は中央方面軍はライプツィヒへ進撃を。ただし敵の包囲殲滅が第一目標」

「了解したぜ」

 

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「此方グデーリアンライプツィヒ攻略完了。ヴァイマル方面で4個師団包囲。敵の防衛線は瓦解している。ベルリンは眼前だ」

「全軍攻勢を開始」

 

 

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1936/6 ドイツ内戦終結

 

「これから長い復興が始まる。ドイツは侵略戦争を放棄し、これで世界大戦は防がれる...筈だ」

 

 

 だが、これから始まる激動の歴史を、彼女はまだ知らなかった。