Unbekannter Soldat #2 Westfeldzuge【HOI4 民主主義ドイツ】

 

ドイツ国防軍将校達の反乱とドイツ内戦はグデーリアン将軍の電撃戦の成功で3ヶ月という短期間で終結した。ドイツは民主主義国家として再出発し、侵略戦争を放棄した。

第二次世界大戦の原因であったドイツが民主化した事で歴史は変わり、世界大戦は食い止められるはずだった。

 

——然し。

 

 

 

 

「民主革命のフューラーの護衛なんて国防軍も暇になったものだ」

「ありがとうロンメル将軍。ナチスは滅びたが共産主義の一部が付けねらっている」

ボリシェビキは民主主義の敵のようだな。ニュースが入ったみたいだ。...フランスがファシズム化するか、この展開は貴方でも言ってなかった」

 

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「ええ。史実とはもはや違う。これはドイツの、そして欧州の平和に暗雲を投げかける動きだ」

「連合国への参加はまだできないのか」

「世界大戦にならないと無理。史実のアメリカと一緒だ。ソ連は史実通りならフィンランド侵略戦争をしかける。ポーランドバルト三国へも侵攻するだろう。そこで中欧同盟を立て、欧州の民主主義国家を護るべく動き出している。アデナウアー首相が各国との関係改善に勤しんでくれている」

「ケルン市長から偉くなったものだ」

「それいったら私は総統だ...酷いな」

「ドイツには民主主義の象徴が必要だ。現皇帝は国家の象徴だが、民主主義のそれではない。ドイツが民主主義を誇れる為には貴方が必要なんだ。未来が見える貴方が」

「もう私が見た未来とは違う世界になりつつある。私は何れ不要な人間とされる」

「私はそう思わない。全ての人間に価値がある、そうだろう」

「ありがとう」

 

 

 

 

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「アデナウアー首相。共産党は政党として認めてはいけない。民主主義を守るためには、民主主義を否定する分子は拒絶しなければいけない。ボリシェヴィキナチスと同じ全体主義だ。彼らを政権に入れればナチスのような過激派の再台頭を許しかねない」

「うむ...フューラー、私も同意見だ。たった数年前に私はヴァイマル共和国の失敗を見た」

 

 

 

 

 

マンシュタイン将軍」

「我が総統。わざわざ参謀本部まで来たという事は重大なニュースなのですね」

 

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「仏伊同盟締結だ」

「ラテンが手を組んだということですね」

「仏伊、そして国粋スペインのファシズム連合は、ドイツが内戦で疲弊していると見て侵略戦争を仕掛けてくるかもしれない。これを三十年戦争にしないために、ドイツは戦争計画を立案しなくてはいけない。腹案はある。だが、検討しないといけない事がある。貴方の頭脳が必要だ」

「お任せ下さい」

「お嬢、戦争か!」

 グデーリアン将軍が喜んで駆け込んで来る。

「まだ。戦争プランの立案」

「はあ。暇な事だ。だがそれが正しいんだろうな」

「うむ。この計画が発動されない事が、我々国防軍の真の勝利ということなのでしょう」

 

 

 

 

1940/7

 

 

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グデーリアン将軍!」

「来たなお嬢!」

「オペレーション・ファニー・ウォーを発令する!」

「了解した!...それって防衛命令」

「防衛は騎兵師団が行う!君たちに出番は無い!」

「そんなあ...」

「......」

  マンシュタイン将軍が冷ややかに此方を見る。

「ゴホン、七〇日、耐えてくれ。それだけくれれば外交で状況を変えられる」

「信じます」

「貴方の計画を壊させはしない。任せてくれ。未来から来たから貴方の計画が上手く行くことは知っている。後は政治的状況を整えるだけだ」

「ええ。任せました」

「任された」

 

 

 戦争は単純な独仏戦争に止まらなかった。国粋スペインと共和スペインの代理戦争が激化し、ソ連が共和スペイン側で参戦する。これによりラテン連合対中欧同盟・コミンテルンの構図が作られた。ただし、中欧同盟とコミンテルンは敵対関係に無いだけで基本的には対立関係にあった。

 

 

ソ連ポーランドへの侵攻など到底許されるべきではありません」

「だが二正面戦争がドイツの敗北を意味する事は理解しているだろう。マンシュタイン将軍」

 彼女の言葉遣いは平静としていた。だが彼女の拳が怒りで震えているのが見て取れた。

「ええ...それは」

「今は耐えるべき時だ」

 

 

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「ラテン連合め、こちらの防衛志向を読んで積極攻勢を開始してきたか」

「お嬢、ジークフリート・ラインを防衛してたのは騎兵師団主体だったよな」

「ええ。歩兵師団もいるけど主力はまるで置いてない。要塞線とは名ばかりで河川に頼った縦深防御に過ぎなかったが...」

「キルレシオ4k:400kてどういうことだ」

「正直分からない。歩兵師団で塹壕突破しようとしたらそうなったというしか...」

「こいつは酷えな。二十年前から一歩も進んでいない」

「貴方にはこんな戦争はさせないから」

「ああ。全く頼もしいぜ。マイン・フューラーは」

 

 

 

 ベルギー ブリュッセル

 

 

「まずはこれを、陛下」

「...これは我が国への侵攻計画」

「フランスの、だ。彼らの暗号は筒抜けだ、独裁者の考える事は手に取るように分かる。目的の為なら手段は選ばない。再びベルギーは戦禍に見舞われる。フランスがジークフリート・ライン突破に失敗した今、ベネルクスへの侵攻は大いに魅力的な計画となる」

「...私でもフランスとの力の差は理解している。...だが独立保証は...」

「中立を宣言する限りは無理だ」

「...ファシスト共は信用ならんが、ドイツも信用できない」

「カイザーライヒの時代は過去のものだ。ナチズムは国民と国防軍の手で倒した。ドイツ人は自己浄化する能力がある。ドイツは貴国の主権を守る。然し

中立である限りは不可能だ。今度は同盟国として共に独裁と戦ってくれないか。欧州の民主主義を守るために」

「...分かった。貴方がナチと正面から戦った人間と見込んでだ...フリードリヒ総統」

「感謝する、レオポルド国王陛下」

「ところで君が反乱を起こしたと聞いた時、びっくりしたよ。私が一年前に亡くした妻の名だったからね」

 アストリッド・アヴ・スヴェーリエ。ベルギー国王レオポルド3世の最初の妃である。

「私も今それを聞いて驚いた」

「貴方も知らない事があるのだね、フューラー。未来が見えて酷く世界がつまらないと思っていたが...」

「私は未来を見てきただけ。それを変える事はできる。それこそが私の生きる理由」

「噂とは少し違うようだな。良い事を聞かせてもらった。胸の内に秘めておく。未来は変えられるか」

「ええ」

 

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将兵諸君。七十日、頑張ってくれた!六週間で蹴りをつけよう!マンシュタイン・プランを発動する!」

 

「これで堂々とベネルクス三国を通過できる訳か」

「舞台は整えた。グデーリアン将軍、真の電撃戦を見せてくれ」

「任せろ」

 

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「此方グデーリアン、敵防衛一個師団を突破した!これよりマジノ線を包囲する!」

 

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「こちらロンメルダンケルク攻略開始」

 

(...総統閣下から史実ではダンケルクから英国へ撤退したと聞いたが、この世界ではダンケルクから叩き落されるだけのようだな。連合国はファシストの味方にはならんよ)

 

 

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グデーリアン将軍からの報告。マジノ線包囲完了との事です。敵50個師団を包囲」

「流石だ韋駄天ハインツ」

 

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「此方グデーリアン、パリ攻略完了!やはり成功したな!マンシュタイン・プラン!」

「...素晴らしい。フランス・ファシズムに終止符を!」

 

マンシュタイン・プランは成功した。しかしまだ戦争は終わっていない...」

「問題はイタリアですね。流石に旧仏伊国境は防備が堅いです。この狭い山岳地帯では機動戦は通用しません」

「流石に戦車でアルプス越えは厳しいぞ!」

「そこでロンメル、貴方に第一次大戦のイタリア戦線の時と同じ役目を担って貰いたい」

第一次大戦というと、山岳師団で戦ったカポレットの戦いか。戦果を横取りされたのは嫌な記憶だ」

「今度はしっかりプール・ル・メリットを与える」

「散々揉めたが立憲君主制にした甲斐はあったようだな」

   グデーリアンが皮肉る。

「だが肝心のオーストリアは中立国なのだが...あ」

「七十日待ってくれ。後は外交で解決する!」

 


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「待たせた。オーストリア中欧同盟に参加した!」

「...(すごいドヤ顔だ...)」

「どうしたマンシュタイン将軍」

「いいえ、流石フリードリヒ総統。どんな説得を行なったのかと」

「答えは簡単だ、オーストリアはドイツ人の国だ」


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「同盟加盟後国民投票、そして即時にアンシュルスだ」

「...(また凄いドヤ顔...)」

「...後はロンメルがやってくれる」

「二正面戦争になればイタリアも防衛が困難になるでしょう。戦線を広げ此方が物量を生かせるようになれば、イタリアに勝機はありません」

「うむ」

 

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「此方、ロンメル。敵影見えず。イゾンツォ川下りを開始する」

「予想外の防衛体制だ...」

「これは酷い...マトモなのは国防軍だけですか」

 

 

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「オランダが連合国に参加、オランダ防衛を理由に英国が対仏伊宣戦布告した。これで主要国のみで英独ソ対伊仏の構図となった。実際は伊対欧州列強全てという形だな」

「ラテンは敗北者となる事が決定しましたね。海外植民地はコミンテルンか連合国のものになりそうです」

「植民地が真に解放される時代は先のようだ。だが植民地は二十世紀中に過去のものになる。人間の平等に依って立つ民主主義は人間を差別する植民地主義とは根本的に矛盾するものだ。軍事力によって捩じ伏せようとしても、長くは続かない」

「それも未来ですか」

「ええ。結局欧州が世界を支配できたのは二十世紀までだ」

 

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仏伊のファシズムは一掃された。アジア・アフリカは共産主義と英仏の植民地主義の対立で依然苦しんでいた。ポーランドを傀儡化したソ連中欧同盟の対立は激化の一途を辿った。

 

残された東欧の国々を守る為、ドイツは軍拡を続けていた。